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→スタッフ日記
しまのがっこうは、毎回ひとつの島を取上げ、島人から昔や今の生活等を話してもらい、島の暮らしや文化・伝統・風習、まだ知られていない島の魅力・価値などを学び合う場です。島を知ることに止まらず、島を元気にし、島から日本を再生していくことを一緒に考える場でもあります。
会場の千代田区和泉橋区民館の会議室に、25名の参加者が集いました。
1時限目の先生は、屋久島平内集落出身の渡辺幸重氏(60歳)。新聞記者、経営者、大学教員などを歴任され、「海と島」をテーマに様々な問題に取り組むジャーナリストです。
→屋久島しまのがっこう プログラム(PDF)
→屋久島しまのがっこう 講義資料(PDF)
→講義資料「島にとって教育投資とは何か」(PDF)
渡辺氏は、子どもの頃の屋久島と世界自然遺産に登録された後の屋久島についてそれぞれ話し、島の普通の暮らしぶりを教えてくれました。島に住む者の気持ちや進学・就職で島外に出た者の気持ちが互いにどう通じ合っているか。近年増えている移住者や旅行者と地元の関係はどのようにあったらいいか。
また、観光産業が発展すれば自然破壊も起こり、縄文杉登山の人数制限の案が出されるなど、保護と開発のバランスをどうするか。出郷者が島に帰りやすくなるにはどうしたらいいか。昔と異なった課題も島には存在するが、屋久島に関わっていただける皆様と一緒に考えていきたいとのことでした。
続いて、2時限目は、えぐさゆうこ氏(唄い手・ナレーター・アナウンサー・声優)による島唄にみる屋久島音楽のルーツの講義でした。なぜ唄探しなのか、屋久島の歌の特性など、今回は会場の都合もあり、話中心にお願いしました。
→エグサユウコ(俳協所属 橋口裕子)ホームページ
島唄に魅かれ奄美の唄者(うたしゃ)朝崎郁恵さんに学んだえぐささんは、沖縄や屋久島を巡り、島々に伝わる作業歌や途絶えかけた日本の唄たちの声を聴くため「音源探し」を続けているとのことで、屋久島も放っておくと消滅するので、数十年来途絶えていた民謡をいくつも掘り起こすなど、精力的に音源探しを行っていると話がありました。
奄美と屋久島の唄には共通の音階・旋法があり、隠岐の島では地元の方から教えてもらった唄が不思議と屋久島のものと似ていたという話と共に、発掘音源を聴きながら、「まつばんだ」(意味は松葉の座という説あり)などの民謡を、会場の皆さんの掛け声と一緒に歌っていただきました。
関東屋久島会の永綱会長からは、ご挨拶と、観光で行ってもなかなか知ることのできない屋久島の話をしていただきました。
→関東屋久島会2011年交流会(りーちゃんのblog)
かごしま・島交流の会の鮫島代表からも、皆様のおかげでしまのがっこうは8回目を迎えることができたとご挨拶をさせていただきました。
→かごしま・島交流の会のもう一つのホームページ
3時限目は、質疑応答と、交流会で自己紹介を行いました。屋久島で生まれた方、屋久島に何回も行ったという方、旅行が好きな方、地域活性化に関心のある方、自己紹介が好きな方、等々。島ファンの方が多く、島クイズの正答率は高かったです。
参加者のお一人、寺田喜朗氏(屋久島宮之浦出身、大正大学文学部准教授)には、長めの自己紹介をお願いし、屋久島で生まれたことについてなどお話しいただきました。
あっという間に終了の時間となり、放課後は、がっこうの先生や参加者を交え、島交流の会の新年会を行いました。話し足りなかった分も含め、和やかに、十分盛り上がった交流ができたと思います。
屋久島の例から、日本再生のヒントをちょっとでも感じていただけたでしょうか。今回のがっこうは、いままで抱いてきた屋久島のイメージとは異なったように思われたかもしれません。出郷者が多数来られたおかげもあり、島の日常の雰囲気やゆっくりした島時間の流れに浸っていただくことができたとしたらとても嬉しいことと思います。先生をはじめ、参加していただいた皆様に心から感謝します。
参加者のご意見をアンケートに書いていただきました。(16名が回答、がっこうへの評価は5点満点で平均4.3)今後、しまのがっこうをより良くしていくための参考とさせていただきたいと思います。
→屋久島しまのがっこう 参加者アンケート結果(PDF)