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あいにくの雨天でしたが、会場の万世橋区民会館には30名を超える参加者が集まりました。
先生役は、えぐさゆうこ氏(唄い手・ナレーター・アナウンサー・声優)と、寺田喜朗氏(屋久島宮之浦生まれ、大正大学文学部人文学科准教授)にお願いしました。お二人の先生のコラボによる「島の神々と暮らし」をテーマにした語りと講義の組み合わせは、想像以上に素晴らしいものとなりました。
1限目は、えぐさ先生の「民話語り」ライブでした。
照明を落とした会場に、暗闇を切り裂くキーンという鈴の音が響き、山姫の民話などの朗読が始まります。語りの合間には、まつばんだなどの唄が入ります。
「語りとうたの間は、異次元からやって来た人のように神秘的でした」と、参加者の感想がありました。
「屋久の御岳をおろかに思うな、金のくらよりなお宝」と、屋久島古謡のまつばんだの説明もありました。
1月のがっこうでは、えぐさ先生は、「屋久島古謡の中の琉球旋法」のお話中心の講義でしたが、今回は、参加者にスピリチュアルな屋久島を体で感じていただく趣向でした。
→えぐさゆうこ(俳協アナ はしぐちゆうこ)公式サイト
2限目は、ホームルームで、参加者の皆さんの自己紹介と、島への思いの共有がありました。
しまのがっこう(大人の学校)ではお馴染みの島酒(屋久島芋焼酎「三岳」など)が並び、子どもさんたちの参加もありました。
3限目は、寺田先生から、「島の生活と神々について」の講義がありました。宗教社会学が専門の寺田先生は、屋久島の歴史的、宗教的背景について、漁の盛衰など産業や人々の暮らしの変遷などを説明し、民俗学的視点から解説を行いました。
→寺田喜朗 - 大正大学教員情報
「屋久島は、奥岳(島の中心部の峰々)に対する山岳信仰であり、鹿児島本土や種子島に分布する森山信仰(モイドン・ガロー山)、あるいは琉球の御嶽信仰(ウタキ・ウガン)とは異なる。山そのものが神聖視されているが、山中他界観はなく、水源(水分)信仰もない。これは稲作の民俗が希薄なこ とと関係しているのかも知れない」、「海の神は、エビス信仰が圧倒的に優勢で、そのエビス信仰も種子島や南西諸島の習俗とは異なった性格が見受けられる」、「子どもの頃は前岳(海岸部の集落の裏山)に登るだけでも怖かった。古代から人々は、山に対して畏怖の念を抱き続けてきたと思う」、「岳参りの習俗が定型化されたのは、意外に近世末かもしれない」等と、自説の披露もありました。
「駆け足だったが屋久島の歴史の流れなどいろいろわかって良かった。家での復習が楽しみ」「個人でもう少し勉強してみようと思います」と参加の若い方々から感想があり、中身の濃い授業で内容が難しかった半面、興味をかきたてられたのではないかと思った次第です。
ご参加の皆様とお二人の先生、スタッフのおかげで無事に終了できました。ありがとうございました。
今回は、屋久島編の2回目として、語りも講義も少し専門的だったかもしれません。でも、しまのがっこうは、島の現実をさまざまな面から示していくのが役割と思います。いつかまた、島の神様をテーマにして出来ればよいと思います。
次回をお楽しみに、ご来校をお願いします。
参加者アンケートの結果が集計できたら、ホームページで概要を報告します。お待ちください。
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